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会計・経理・税金 経営者の知恵袋

現金出納帳は会計のきほん!

現金出納帳で資金繰りを安定させましょう!


今回のコラムは、起業して間もない経営者様、個人事業主様が対象です。

脱サラして、自身の夢を追うために新規開業した経営者がまず最初に悩むことが「売上」です。これが会社のすべての始まりですから当然ですね。

そして次に悩むのは「お金」です。

事業の内容によっては、先に「お金」、次に「売上」の場合もあるでしょう。

売上があがり、経費を支払って、残ったものが利益です。

が、利益がそのままお金として残るわけではありません。

売上ばかりを追っていても、お金がいくら残っているかはわからないのです。

そのお金の管理をする最初の第一歩が現金出納帳を整理して、しっかりとお金の管理をすることです。

特に、飲食店やサービス業など現金で売上が入金したり、現金で仕入や経費を支払うような業種では、取引内容と残高をしっかり管理しなくてはいけないのです。


現金出納帳をつけるメリット

お金の動きがわかる

会計においてまず最初にすべきことは、日々の活動を金額で正確につかんで、資金ショートが起きないようにすることです。

そのためには現金を管理する体制をしっかり作ることが大切です。現金出納帳をつけることで毎日のお金の動きを把握することができます。


最低必要な資金がわかる(日・週・月)

現金出納帳が原則、毎日つけてください。
毎日つけていくことで、日・週・月ごとに必要なお金が分かるようになります。

創業間もない小さな規模の会社では資金をショートさせない管理が非常に重要です。その基本は、いつ、いくらのお金が必要なのかを3か月、半年先まで見通しておくことです。

必要な売上高がわかる

最低必要な資金がわかれば、資金ショートさせないために必要な売上高がわかります。3か月先にいくら必要なのかをわかっていれば、3か月前から事前に手を打てますね。

「お金が足りるのか、足りないのか、わからない」状況というのは、創業間もない経営者にとってはかなり頭を悩ませる不安要素です。

特に脱サラして起業した経営者にとっては、サラリーマン時代にはほとんど経験がなかったであろう不安なのです。

先を見通す仕組みをつくることで、余裕を持って対応することができます。



現金出納帳をつくるポイント

自分の財布と金庫のお金をしっかり分ける

実は、これができない経営者はとても多いです。

まずは、会社用の金庫を購入することをおすすめします。

そして預金通帳も会社用と個人用を分けてください。

会社の現金は金庫で管理し、入金・出金・残高を明確にしたうえで、「現金出納帳」に毎日記帳します。

【現金出納帳のサンプル】

日付 証憑 摘要欄 入金額 出金額 残高
相手先 内容
      前月繰越     3000
1/〇   A工業 売掛金入金 500   3500
1/〇   B商会 買掛金支払   300 3200
1/〇   C郵便局 切手・郵送代   100 3100
             




毎日出納帳と金庫の現金残高を合わせる

毎日、現金の出入りを記帳していき、1日の終わりには金庫やレジにある現金の残高と記帳した残高が合っているかを確認してください。

もしも、残高が不一致の場合には必ずその原因を調べましょう。

これをルーチン化することによって、社内のお金の管理体制が確立され、現金をあつかう従業員に対しても内部統制を図ることができます。

また、税務署の調査があった場合、調査当日の金庫の現金残高と現金出納帳の記帳残高が合っているかを確認されることが多いです。

現金残高がピッタリ合致している、現金出納帳をその日までキッチリ記帳してあることで「しっかり経理しているな」という印象を与えることにもつながります。



預金出納帳をつくるポイント

つづいては、預金通帳についてです。

預金については、通帳記入をすれば残高と入出金の状況は確認できます。当座預金の場合も同様に、銀行が発行する当座照合表で通帳と同じように確認できます。

ただし、入金はあるが何の入金かわからない場合や、複数の出金がまとめて記帳されたりと、詳細の内容まではわかりません。

預金は残高のみを管理しがちですが、大切なことは入出金の内容をしっかり把握することです。これを習慣化するため、預金出納帳を作成します。

最近では、インターネットを使って会計ソフト上で預金通帳の情報を読み込んで自動で預金出納帳を作成できる技術もあります。

その場合も、内容の詳細情報であったり、普段はない臨時的な入出金については手動で設定する必要があります。

お金の管理は仕組みづくりが大切です


今回のコラムは、 起業して間もない経営者様、個人事業主様を対象にして、現金と預金という会社の「お金」をどう管理するのか?
その基本である現金出納帳、預金出納帳についてご説明しました。

今回のコラム以外にも、主に会計面で経営管理に役立つコラムを今後も投稿していく予定です。

別のコラム、「売掛金の入金管理してますか?」も参考にしてください!

新規開業した経営者様、個人事業主様の方でご質問があしましたら、お気軽にお問合せください。

愛知県豊橋市 中小企業診断士事務所 彦坂マネジメントオフィス 

作成者: 彦坂尚幸

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彦坂マネジメントオフィス
PDCAコンサルタント
中小企業診断士 彦坂尚幸

1978年 愛知県豊橋市生まれ。