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事業承継・後継者 経営者の知恵袋

事業承継5つのステップ!?

事業承継は5つのステップを踏んで進めましょう


今回のコラムは、事業承継を検討している経営者様、後継者様を対象にしています。

以前のコラム「中小企業経営者の平均年齢70歳!?」でも解説したとおり、

中小企業白書によると、中小企業の経営者年齢で最も多い年齢層は、なんと69歳!

2018年のデータでも70歳以上の経営者の割合は28%を超えており、中小企業庁の予測では、2025年には70歳以上の経営者が245万人に及ぶとされています。

しかも、多くの企業で後継者が決定していません。


黒字でありながら後継者不在による廃業は今後ますます増加していくことが容易に想像できる状況です。

とはいえ、後継者候補が決定している企業があるのも事実。

そこで今回は、中小企業庁が策定している事業承継ガイドラインから抜粋した

事業承継に向けた5つのステップ をわかりやすく解説していきます。

        ~事業承継ガイドラインより~



事業承継に向けたステップ①

事業承継に向けた準備の必要性の認識

事業承継には後継者育成などを考慮すると数年の期間を要するため、将来の事業承継に向けた早期・計画的な準備が必要です。

中小企業庁の調査によると、この活動には5 年~10 年の期間が必要とされています。


経営者が概ね 60 歳に達した頃には事業承継の準備に取りかかることが望ましいと思われます。


事業承継に向けたステップ②

経営状況・経営課題の把握(見える化)

事業を後継者に円滑に承継するためのプロセスは、経営状況や経営課題、経営資源等を見える化し、現状を正確に把握することから始まります。

把握した自社の経営状況・経営課題等をもとに、現在の事業がどれくらい持続し成長するのか、商品力・開発力の有無はどうなのか、利益を確保する仕組みになっているか等を再度見直して自社の強みと弱みを把握し、強みをいかに伸ばすか、弱みをいかに改善するかの方向性を見出すことが必要です。

また「経営状況の見える化」の目的は、経営者自らの理解促進に留まらず、関係者に対して自社の状態を開示することでもあります。

さらに後継者候補の有無を確認して、

候補者がいる場合承継に係る意思確認の時期や、候補者の能力、適性、年齢、意欲等を踏まえ、後継者に相応しいかどうかを検討します。
候補者がいない場合社内外における候補者の可能性について検討する必要があります。



事業承継に向けたステップ③

事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)

近年、中小企業では親族内での事業承継件数が減少しています。その反面、従業員承継や社外承継は増加傾向です。

その背景には、少子化問題もあるわけですが、

親族の後継者候補が、会社の将来性や経営の安定性について懐疑的になっている

ことが挙げられます。

現経営者が将来の事業承継を⾒据え、本業の競争⼒強化等の経営改善を⾏うことで、後継者が後を継ぎたくなるような経営状態にまで磨き上げるステップです。



事業承継に向けたステップ④-1

(親族内・従業員承継の場合)

具体的に事業承継(資産の承継・経営権の承継)を進めていくにあたっては、自社や自社を取り巻く状況を整理した上で、

会社の 10 年後を見据え、いつ、どのように、何を、誰に承継するのかについて、具体的な計画を立案することが重要です。

事業承継計画は、後継者や親族と共同で、取引先や従業員、取引金融機関等との関係を念頭に置いて策定します。

事業承継計画策定後は、これらの関係者と共有しておくことが望ましく、こうすることにより関係者の協力も得られやすく、関係者との信頼関係維持にも役立ちます。

さらに、後継者や従業員が事業承継に向けて必要なノウハウの習得や組織体制の整備などの準備を行うことができるなど、様々な利点もあります。



事業承継に向けたステップ④-2

(社外へ引き継ぎの場合)

後継者不在等のため、親族や従業員以外の第三者に事業の引継ぎを行う場合は、買い手とのマッチングに移行します。

自力で一連の作業を行うことが困難である場合が多いため、専門的なノウハウを有する仲介機関に相談を行う必要があります。

仲介機関の候補としては、公的機関である事業引継ぎ支援センターやM&A専門業者、金融機関、士業等専門家も存在しており、選定にあたっては、日頃の付き合いやセミナー等への参加を通じて、信頼できる仲介機関を探し出すことが重要です。

社外承継・M&Aは既に地方の中小企業にも広がりを見せており、大企業や都市部だけの話ではなくなっています。



事業承継に向けたステップ⑤

事業承継の実行、M&Aの実行

事業承継やM&Aの実行段階においては、状況の変化等を踏まえて随時事業承継計画を修正・ブラッシュアップする意識も必要です。

また、この時点で税負担や法的な手続きが必要となる場合が多いため、弁護士、税理士、公認会計士等の専門家の協力を仰ぎながら実行することが望ましいです。

今回のコラムは、中小企業庁が策定した事業承継ガイドラインに記された事業承継のおおまかな流れを解説しました。

それぞれのステップの詳細を解説したコラムも随時投稿していく予定ですので、お楽しみにしてください。

愛知県豊橋市 中小企業診断士事務所 彦坂マネジメントオフィス 

作成者: 彦坂尚幸

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彦坂マネジメントオフィス
PDCAコンサルタント
中小企業診断士 彦坂尚幸

1978年 愛知県豊橋市生まれ。