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起業・創業・法人成り

創業計画書作成①まず最初にすべきこと

自分の夢を実現するための創業計画

今回のコラムは、「自分の夢を実現するために創業したい!」、「起業して自分の価値を社会に提供したい!」と考えている方が対象です。

創業や起業は、思い立ってから実現するまでの間に事業計画、資金調達、販路開拓、各種届出など多くのハードルが存在します。

しかもハードルの数や高さ、道のりなどは個人ごとに違っているため「こうすれば成功する」というようなマニュアルはありません。

だからこそ創業や起業を志したなら、まずは自身がやりたい事業を創業計画書として整理し、何が足りないのか、何をすべきなのか、を見える化することが大変重要です。

「それでは創業計画書を作成していきましょう!」といっても、何からすれば良いのかわからない方もきっと多いはずです。

そんな方におすすめなのが、創業計画書の作成に取りかかる前に、まずは「事業の構想」をしっかりと整理しておくことです。

創業計画は、通常以下の4つの内容を備えたものになります。

(1) 事業構想
(2) 具体的な事業内容
(3) 創業時の資金計画表
(4) 損益計画表

この4つの内容を練り上げていくわけですが、

(1)事業構想  があいまいな状態だとそれ以降の内容はもっとあいまいな内容になってしまい、実現の可能性が低下してしまいます。

そこで今回のコラムは、中小企業庁監修の「夢を実現する創業」を参考にして創業計画書の第一歩目である(1)事業構想の作成についてわかりやすく解説していきます。


創業計画の前提条件

創業計画書は、自分の夢(創業)を実現するための具体的な行動を示す計画書です。創業計画書を作成することで、頭の中に描いている創業のイメージを具体的に整理することができるので、夢の実現に大きく近づくことができます。


まずはその第一歩目として、

自分の創業のイメージを固めましょう!

創業・起業を考えている方は、どのような方法で事業を進めていくのか色々と考えていると思います。それを文字や表にして見える化しましょう。

すでに頭の中の構想を見える化している方、まだ頭の中で考えているだけの方、いろいろだと思います。

とりあえずこのような形で自分の創業のイメージを固めてみてください。

経営資源

質(クオリティ) 数(量)

ヒト

資格・能力・経験 適正人数

モノ

モノの質
(購入・リース・レンタル等)
保有台数

カネ

カネの質
(資金の入手源泉)
資金量


それぞれの経営資源について、どんな内容を確認していくかは以下を参考にしてください。

ヒ ト・パートナー又は片腕はいますか?
・社員は何人必要ですか?
・パート、派遣社員の活用は可能ですか?


モ ノ・店舗(事務所・工業等)は必要ですか?
・店舗の改装はどのようにしますか?
・どのくらいの設備が必要ですか?


カ ネ・最初にかかる設備資金は幾ら必要ですか?
・毎月かかる運転資金はどのくらい必要ですか?
・自己資金はどのくらいありますか?
・親・兄弟等、親族からの援助はありますか?
・銀行融資の場合、毎月幾らなら返済できますか?


このように、自分の創業を具体的に文字で表現し、整理することで操業するにあたっての「やるべき事」が見えてきます



事業構想の書き方

事業構想は以下の書式に記入していくことで整理できます。

創業計画書

(1)事業構想

 ①創業の動機

 

 ②事業の概要

 

 ③市場の環境

 

 ④事業の将来目標

 

 ⑤事業の課題

 


①創業の動機 書き方どのような夢で、なぜこのビジネスをしたいと思ったのかを書きましょう
②事業の概要 書き方誰に、何を、どのように販売する事業なのかを簡単に書きましょう
③市場の環境 書き方その事業の市場規模、事業を取り巻く環境、同業他社の状況を書きましょう
④事業の将来目標 書き方将来、事業をどのように成長・発展させていきたいかを書きましょう
⑤事業課題 書き方今後、事業を始めるにあたり、克服すべき課題(ヒト・モノ・カネ等)を書きましょう



事業構想の書き方(サンプル)

事業構想はむずかしく考える必要はありません。
自分の思いや現在の状況をそのまま書いていくほうが良いです。

素晴らしい内容を書こうとしすぎると、かえって現状を間違って分析してしまいますし、創業計画書のその後の工程がブレてきます。

むしろ正しい現状分析をすることで、今のうちに解決しておくべきことを明確にすることが大切です。

それではサンプルとして、パン屋の創業をめざす方の事業構想の記入例を見てみましょう。

 

創業計画書

(1)事業構想

 ①創業の動機

・皆においしくて健康に良いパンを食べてほしい
・〇〇パン店に10年間勤務した経験を活かして、自分の店を持ちたい

 ②事業の概要

・〇〇年の創業を目標に、メロンパンとカレーパン
 に特化したパンの専門店をめざす
・メロンパンとカレーパンの2種類しかないが、いろいろなバリエーションを用意する

 ③市場の環境

・パン屋は飽和状態、多くの競合がいるがメロンパンとカレーパンに特化したパン屋はあまりない
・女性をはじめ日本人は、メロンパンとカレーパンは好きな人が多く、顧客ニーズはある

 ④事業の将来目標

・車での移動販売、ネット販売等で販売拡大をめざす
・「メロンパンとカレーパンを語る会」を主宰して、パンのすばらしさを広めたい

 ⑤事業の課題

・パンを焼く機械の購入資金が足りない
・経営者としてやっていけるか不安がある

いかがでしょうか?

むずかしく考えることも、素晴らしい内容を書く必要もありません。

創業に対する思いと現在の状況をそのまま書いていけば大丈夫です。

創業計画書作成の各工程で計画の内容を練り上げていきますが、その前提となるのは創業時の思いです。


今回のコラムは、「自分の夢を実現するために創業したい!」、「起業して自分の価値を社会に提供したい!」と考えている方を対象に、

創業計画書を作成するその第一歩目として「(1)事業構想」について解説しました。

これ以降の工程についても、別のコラムで解説していく予定です。

専門家に相談したいとお考えの方は、お気軽にお問合せください。

愛知県豊橋市 中小企業診断士事務所 彦坂マネジメントオフィス 

作成者: 彦坂尚幸

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彦坂マネジメントオフィス
PDCAコンサルタント
中小企業診断士 彦坂尚幸

1978年 愛知県豊橋市生まれ。