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起業・創業・法人成り

創業計画書作成②具体的な事業内容

自分の夢を実現するための創業計画

今回のコラムは、「自分の夢を実現するために創業したい!」、「起業して自分の価値を社会に提供したい!」と考えている方が対象です。

前回のコラム「創業計画書作成①まず最初にすべきこと」で創業計画の最初の第一歩である「(1)事業構想」について解説しました。

今回も中小企業庁監修の「夢を実現する創業」を参考にして、創業計画の作成方法をわかりやすく解説していきます。

前回ご説明したとおり、創業計画は通常以下の4つの内容を備えたものになります。

(1) 事業構想
(2) 具体的な事業内容
(3) 創業時の資金計画表
(4) 損益計画表

この4つの内容をそれぞれ練り上げいくわけですが、前回で(1)事業構想 は出来上がりました。

次の工程は(2)具体的な事業内容 です。


具体的な事業内容の書き方

(2)具体的な事業内容は、以下の書式に記入していくことで整理できます。

創業計画書

(2)具体的な事業内容

 ①事業の内容

 

 ②事業の特色
 (セールスポイント)

 

 ③販売計画

 

 ④仕入計画

 

 ⑤設備計画

 

 ⑥要員計画

 



このほかにも、自分のお店な名前や商品名などを記載しても良いです。

「全部書くのは大変だな。」と感じるかもしれませんが、実際に書いてみると頭の中で考えているだけの状態よりも、より具体的に自身の事業内容を把握することができます。

例えば、

提供する商品やサービスが社会にどのような価値を提供できるのか?
ターゲット顧客層のニーズにマッチした商品やサービスになっているか?
販売・仕入・設備の計画は妥当な内容になっているか?


具体的な事業内容の書き方(サンプル)

(2)具体的な事業内容は、もちろん具体的であるほど良いです。自分の事業内容を理解し、整理できている創業者はスターダッシュを決める可能性が高くなります。

ただし、現時点で具体的な内容になっていない場合も、悲観しなくて大丈夫です。

すぐに事業化できなくても、何が足りないのか、何をクリアする必要があるのか、などの課題が明確になればそれを解決するための行動を起こすことができます。

課題をひとつひとつクリアしていき事業内容を洗練されたものしていきましょう。

それではサンプルとして、パン屋の創業をめざす方の(2)具体的な事業内容の記入例をご紹介します。

創業計画書

(2)具体的な事業内容

 ①事業の内容

・色々なトッピングがあるメロンパンとカレーパンに特化した専門店を創業する

・メロンパンは健康に配慮したヨモギやゴーヤなどのバリエーションを揃える

・カレーパンはインド風・激辛・甘辛・薬膳などのバリエーションを揃える

 ②事業の特色
 (セールスポイント)

・メロンパンとカレーパンの様々な種類を提供するとともに添加物のない天然酵母のパン生地であることをアピールする

・パン職人としてのキャリアとメロンパン・カレーパンに特化していることをアピールしてコア顧客を獲得する

 ③販売計画

・ターゲットは駅近辺のOL・サラリーマンとし、昼食やおやつのニーズをつかむ

・客単価は500円程度におさえる

 ④仕入計画

・パン生地に天然酵母を使用するため、原価は一般的なパン屋よりもやや高めになる(40%程度)

・パン生地の仕入先は勤務時代の知り合いがいて、すでに交渉している

 ⑤設備計画

【店舗】

・販売ターゲットの客層から考えて駅近辺や地下街に出店する

・厨房は8坪、店内7坪で、延べ15坪の店舗を探す

・家賃は月15万円、保証金は80万円以内におさえる

【機械・改装費】

・購入する機械は中古で500万円以内におさえて、リースも検討する

・内装は明るく清潔感のある店舗、建築業を営む親戚に依頼する予定

 ⑥要員計画

・製造・販売は全員パートスタッフで運営する

・飲食店での勤務経験がある妻が経理・総務を含め全面的にサポートしてくれる

 

いかがでしょうか?

まずは自分が考えていることを書いてみることが大切です。実現可能かどうかはその後で考えれば良いのです。

サンプルのパン屋の事業内容は、よく考えているとは思いますが「具体的」という点からみるとまだ足りないと思います。


ターゲットにメロンパン・カレーパンのニーズがあるのか?

出店場所は駅近辺や地下街で良いのか?

毎月の家賃や給料を支払うためには幾ら売上が必要なのか?

原価率40%の場合、月に何個売れば利益が出るのか?


いよいよ創業する!という時には、こういったことまで考えていく必要があります。

事業を始めるにあたり、店舗や機械などが必要で初期投資が大きくなるビジネスの場合は特に注意が必要です。

事業をすぐにでも始めたい!という気持ちもわかりますが、投資額が大きいほど事業を開始してからは後戻りが難しくなります。

創業計画をしっかり練り上げることで、自身の事業をより具体化していきましょう。


今回のコラムは、「自分の夢を実現するために創業したい!」、「起業して自分の価値を社会に提供したい!」と考えている方を対象に、

創業計画書作成の(2)具体的な事業内容 について解説しました。

これ以降の工程についても、別のコラムで解説していく予定です。

前回のコラム 「創業計画書作成①まず最初にすべきこと」

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愛知県豊橋市 中小企業診断士事務所 彦坂マネジメントオフィス 

作成者: 彦坂尚幸

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彦坂マネジメントオフィス
PDCAコンサルタント
中小企業診断士 彦坂尚幸

1978年 愛知県豊橋市生まれ。